生物がエネルギーをどう取り出し(呼吸)、どう作り出すか(光合成)を、その中で起こる反応の流れとATPの生成量から理解する単元です。
だいじな考え方
- 呼吸は、細胞質基質での解糖系、ミトコンドリア内でのクエン酸回路、ミトコンドリア内膜での電子伝達系という3段階からなります。
- 解糖系とクエン酸回路で生じたNADHやFADH2が運んできた電子を使い、酸素を最終的な受け手として大量のATPを合成するのが電子伝達系で、1分子のグルコースから最も多くのATPが作られる段階です。
- 光合成では、光を受けて水を分解する明反応で酸素が発生し、その酸素は二酸化炭素ではなく水に由来します。
- 呼吸はすべての生きた細胞で常に行われており、光合成は光がある条件でのみ進みます。両方が同時に起こることもあります。
電子伝達系の最後で酸素が電子を受け取る。酸素がないとここで止まる。
やりかた
- 呼吸のどの段階(解糖系・クエン酸回路・電子伝達系)の話かを確認する
- その段階がどこ(細胞質基質かミトコンドリアか)で起こるかを対応させる
- ATPが多く作られる段階か少ない段階かを判断する
- 光合成の反応であれば、明反応(光・水・酸素)か暗反応(二酸化炭素・有機物)かを区別する
れい
問題: グルコース1分子の呼吸において、最も多くのATPが作られる過程はどれか、理由とともに答えよ。
- 解糖系はグルコースをピルビン酸に分解し、差し引きわずかなATPしか生じない
- クエン酸回路でもATPの生成は少量にとどまる
- 電子伝達系では、それまでに生じたNADHなどの電子を使い、酸素を受け手として非常に多くのATPが合成される
答え: 電子伝達系
つまずきやすいところ
光合成は昼だけ、呼吸は夜だけ行われると考えてしまう
呼吸はすべての生きた細胞で常に行われ、光合成は光がある条件下で進む(両方同時に起こりうる)
光合成で発生する酸素は、二酸化炭素に由来すると考えてしまう
光合成の酸素は水の分解(明反応)に由来し、二酸化炭素は有機物の炭素の材料になる
電子伝達系は酸素がなくても最後まで進むと考えてしまう
電子伝達系の最終段階で酸素が電子を受け取るため、酸素がないとここで止まる
たしかめ方
- 各段階がどこ(細胞質基質・ミトコンドリア)で起こるかをもう一度図で確認し、場所と反応名がずれていないか見直します。
- 光合成の反応式に出てくる酸素・二酸化炭素・水がそれぞれどこから来てどこへ行くかを、矢印で追ってみます。