炭素をふくむ有機化合物以外の物質、つまり金属や酸・塩基、気体などを扱います。覚えることが多く見えますが、周期表のどこにあるかで性質がほぼ決まります。
だいじな考え方
- 元素は、性質の変わり方から 典型元素(1・2族と13〜18族)と 遷移元素(3〜12族)に分けます。
- 典型元素は、同じ族なら性質が似ています。最外殻電子の数が同じだからです。アルカリ金属が1価の陽イオンになりやすいのも、価電子が1個しかないためです。
- 遷移元素は隣どうしで性質が似ます。内側の d 軌道に電子が入っていくので、最外殻はあまり変わりません。複数の酸化数をとる・有色のイオンが多い・錯イオンをつくるのが特徴です。
- 沈殿は、「溶けにくい組み合わせ」を覚えるのではなく、溶けるほうを先に覚えると少なくて済みます。硝酸塩・アルカリ金属の塩・アンモニウム塩は、ほぼすべて水に溶けます。
性質は暗記ではなく、周期表の位置から出てくる。
やりかた
- 出てきた元素が、典型元素か遷移元素かを見る
- 典型なら族を見て、何価のイオンになるかを決める
- 遷移なら、酸化数と色、錯イオンをつくるかを思い出す
- 沈殿するかは「溶けるほうの規則」に当てはめて、外れたら沈殿と判断する
れい
問題: 塩化ナトリウム水溶液に硝酸銀水溶液を加えると、白い沈殿ができました。この沈殿は何ですか。
- 溶液の中にあるイオンは Na+、Cl-、Ag+、NO3-
- 組み合わせは NaNO3 と AgCl の2つ
- 硝酸塩はすべて溶けるので、NaNO3 は沈殿しない
- 残る AgCl が沈殿。ハロゲン化銀は AgF 以外は溶けにくい
答え: 塩化銀(AgCl)
つまずきやすいところ
沈殿の組み合わせを、そのまま丸暗記しようとする
「硝酸塩・アルカリ金属塩・アンモニウム塩は溶ける」を先に覚え、外れたものを沈殿と考える
遷移元素にも「族が同じなら似ている」を当てはめる
遷移元素は横に並んだ元素どうしが似ます。典型元素とは似方の向きが違います
錯イオンの名前を、配位子の数を確かめずに書く
配位数は金属イオンで決まります。Ag+ は2、Cu2+ と Zn2+ は4、Fe3+ は6が代表的です
たしかめ方
- 沈殿の答えを出したら、残ったほうの塩が本当に溶けるかを確かめます。両方が沈殿する答えになったら、どこかで判断を誤っています。
- イオンの電荷の合計が、反応の前後で 0 になっているかを見ます。合っていなければ、価数の取り違えです。