(a+b)^nの展開を規則的に求める二項定理と、恒等式・不等式の証明のしかたを学ぶ単元です。
だいじな考え方
- 二項定理は、(a+b)^nを展開したときの各項が、nCk × a^(n-k) × b^kの形になる、という規則です。kを0からnまで動かすと、すべての項が出そろいます。
- 整式P(x)をx-aでわった余りは、P(a)に等しくなります(剰余の定理)。とくにP(a)=0ならば、P(x)はx-aでわり切れます(因数定理)。
- 恒等式とは、xにどんな値を入れても両辺が等しくなる式です。恒等式の係数を求めるには、両辺を展開してxの同じ次数どうしの係数を比べます(係数比較法)。
- 相加相乗平均の関係は、a>0、b>0のとき(a+b)/2 ≧ √(ab)が成り立つというもので、等号はa=bのときだけ成り立ちます。
二項定理は、a^(n-k)b^kの係数がnCk。
やりかた
- (x+1)^nのx^kの係数を求めたいときは、二項定理の形にあてはめる
- a=x、b=1として、a^(n-k)b^kの部分がx^(n-k)になるkを見つける
- そのkについてnCkを計算する
- 恒等式の係数を求めるときは、両辺を展開してから同じ次数の項どうしを比べる
れい
問題: (x+1)5 の x4 の係数を求めなさい。
- 二項定理では、a^(n-k)b^kの項の係数はnCk
- a=x、b=1、n=5とし、x^(5-k)=x4になるkをさがす: k=1
- 係数は5C1
- 5C1=5
答え: 5
つまずきやすいところ
(x+1)^nのx^kの係数を求めるのに、nCkのkの部分を、求めたい次数のままにしてしまう
nCkのkは、bの指数にあたる数。x4の項を求めるならn-k=4なので、k=n-4で計算する
恒等式の係数を求めるのに、xに1つの値だけを代入して終わらせてしまう
次数の高い式では、すべての次数の係数が一致してはじめて恒等式になる。展開して係数を比べるのが確実
相加相乗平均の関係を、a、bが負の数でも使ってしまう
この関係はa>0、b>0のときだけ使える。符号を先に確認する
たしかめ方
- 求めた係数で、実際に(x+1)^nを次数の低いnで書き出し、パスカルの三角形の数と一致するかを確かめます。
- 恒等式の係数を求めたら、両辺にいくつか具体的なxの値を代入し、両辺が同じ値になるかを確認します。