近代小説の構成と主題を読み取ります。行動描写や視点の転換、要約的叙述など、作者が主題を伝えるための表現の効果に注目します。
だいじな考え方
- 作者自身の体験を素材にした小説を私小説といいます。『羅生門』『鼻』は芥川龍之介、『こころ』『坊っちゃん』は夏目漱石の作品です。
- 登場人物の内面を直接書かず、行動で示す手法を行動描写といいます。同じ出来事を別の人物の視点から語り直す構成を視点の転換といいます。
- 作中の時間を実際より速く進める書き方を要約的叙述といいます。作品の主題は、あらすじと同じものではありません。
- 小説の冒頭は、多くの場合設定の提示という役割を担います。作者と語り手は同じものではありません。心情の変化を読み取るときは、行動や情景の変化に注目します。
主題はあらすじではなく、作品が伝えようとする考え。
やりかた
- 冒頭の設定(時・場所・人物)をつかむ
- 行動描写から、直接書かれていない心情を読み取る
- 視点の転換があれば、それぞれの視点から分かることを整理する
- 出来事の流れ(あらすじ)と、作品が伝えたいこと(主題)を分けて考える
れい
問題: 「彼は無言のまま、拳を強く握りしめた。」から読み取れることを答えなさい。
- 心情を直接表すことばがないことを確認する
- 行動(拳を握りしめる)に注目する
- 行動描写の手法だと気づく
- 行動から心情を推測する
答え: 怒りや悔しさをこらえている心情(行動描写による表現)
つまずきやすいところ
主題を、あらすじ(出来事の説明)と同じに考えてしまう
あらすじは出来事の流れ、主題は作品が伝えたい考えです
作者の考えが、そのまま語り手の言葉だと思いこむ
作者と語り手は同じではありません。語り手は作者が作った視点です
たしかめ方
- まとめた主題が、単なる出来事の説明(あらすじ)になっていないか見直します。
- 行動描写から読み取った心情の根拠を、本文の具体的な行動で示せるか たしかめます。