酸と塩基が中和するときの量の関係(中和滴定)と、酸性・塩基性の強さを表すpHをあつかいます。塩の性質も、もとの酸・塩基の強さから決まります。
だいじな考え方
- 酸はH+(水素イオン)を出す物質、塩基はOH-(水酸化物イオン)を出す物質、あるいはH+を受け取る物質です。
- 中和反応では、酸が出すH+の物質量と塩基が出すOH-の物質量が等しくなったときにちょうど中和します。1価・2価などの価数を必ずかけて計算します。
- pHは水素イオン濃度の大きさを表す指標で、pHが小さいほど[H+]が大きく、酸性が強いことを意味します。中性はpH=7です。
- 中和してできる塩の水溶液が中性・酸性・塩基性のどれになるかは、もとになった酸と塩基の強さの組み合わせで決まります。強酸と強塩基の塩は中性ですが、強酸と弱塩基の塩は酸性を示すことがあります。
中和の量的関係は「酸の出すH+の物質量=塩基の出すOH-の物質量」。
やりかた
- 酸・塩基それぞれの濃度・体積・価数を書き出す
- 「酸の物質量×価数=塩基の物質量×価数」の式を立てる
- 求めたい量(体積や濃度)について解く
- 単位(mol/L、mLなど)をそろえて計算する
れい
問題: 0.10mol/Lの塩酸10mLを中和するのに、0.20mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液は何mL必要か。
- 塩酸(1価)の物質量=0.10×10/1000=1.0×10^-3mol
- 中和条件は酸の物質量×価数=塩基の物質量×価数
- 1.0×10^-3×1=0.20×V/1000×1
- V=1.0×10^-3×1000/0.20=5.0mL
答え: 5.0mL
つまずきやすいところ
硫酸のような2価の酸で、価数をかけ忘れて計算してしまう
酸・塩基それぞれの価数を必ずかけて、出すH+・OH-の物質量で比べる
pHが小さいほど酸性が弱いと考えてしまう
pHが小さいほど水素イオン濃度が大きく、酸性は強い
中和してできる塩はすべて中性になると思い込む
強酸と弱塩基の塩(塩化アンモニウムなど)は酸性を示すなど、もとの酸・塩基の強さで塩の液性は変わる
たしかめ方
- 求めた体積を式に戻し、両辺(酸の物質量×価数と塩基の物質量×価数)が等しくなるかを確認します。
- 単位をmolやLにきちんとそろえてから計算したかを見直し、mLのままかけ算していないかを確かめます。