語りの視点によって、読み取れる情報の範囲が変わります。人物造形(人物像)や、情景描写が心情を映す働きにも注目して読みます。
だいじな考え方
- 語り手が「私」である視点を一人称視点、語り手が登場人物の心の中まで知っている視点を全知視点といいます。
- 場面の様子や自然を描くことを情景描写といい、それが人物の心情を映すことを心情の投影といいます。
- あとの出来事をあらかじめほのめかす書き方を伏線、物語の中で対立が最も高まる場面をクライマックスといいます。
- 登場人物の性格や背景をまとめて人物像といいます。会話文以外の、語り手が語る文を地の文、作品が書かれた社会や時代の状況を時代背景といいます。
語りの視点によって、読み取れる心情の範囲が変わる。
やりかた
- 語り手が「私」か、それとも人物の外にいるかを確かめる
- 全知視点なら、複数の人物の心情が語られていないか探す
- 情景描写を見つけたら、人物の心情が重なっていないか考える
- クライマックスに至るまでの伏線を、前の場面までさかのぼって探す
れい
問題: 「空はどこまでも重く曇っていた。」という一文が、主人公の心情を暗示しているとき、この技法を何といいますか。
- 情景(空の様子)が描かれている
- 場面の状況説明だけではないと考える
- 人物の心情と重ねられている
- 情景が心情を映す働きだと分かる
答え: 心情の投影
つまずきやすいところ
一人称視点でも、他の人物の心の中が直接分かると思う
一人称では、語り手以外の心情は行動や会話から推測するしかありません
情景描写を、単なる背景説明として読みとばす
情景描写が、人物の心情を映していることがあります(心情の投影)
たしかめ方
- 視点の種類(一人称・全知)を確認し、そこから分かることと分からないことを区別できるか たしかめます。
- 見つけた伏線が、クライマックスのどの出来事とつながるか、指させるか見直します。